会長挨拶

第53回日本心血管インターベンション治療学会 東北地方会
会 長 岩谷 真人
(秋田赤十字病院 循環器内科部長)

謹啓
時下、会員の皆様におかれましては、ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
 このたび第53回日本心血管インターベンション治療学会東北地方会 会長をさせていただくことになりました秋田赤十字病院の岩谷真人です。
 3年前に始まったCOVID19パンデミックですが、欧米ではほぼ日常生活を取り戻しており、日本でも新たな変異株の状況をみながらインフルエンザ並みの5類への変更が検討されています。CVIT東北地方会も当初のウェブ形式が前々回から対面形式に戻り、前回は通常程度の参加者が集まったようです。この間、発表演題にも変化がみられ、冠動脈関連が減り、末梢血管関連やストラクチャー関連が増え、それを習得する若い先生方も目立つようになりました。コメディカルスタッフも新しい方が増え、これからいよいよ活発な会になり、参加した方々がいい刺激を受けられるようテーマは「種をまく」としました。
 実はこのテーマ、秋田の大先輩からお借りしました。約100年前(1921年)、秋田市土崎で小牧近江・金子洋文・今野賢三らが同人誌「種蒔く人」を創刊しました。第4号からは東京で発行され、のちに日本プロレタリア文学の祖といわれます。第1号の表紙は今回と同じミレーの「種まく人」でした。題名は小牧が第1次世界大戦前後に留学していたフランスで影響を受けた反戦平和運動の「種をまく」からきています。
 CVITも絶えず世代が変わっていきます。ベテランの先生には当たり前でも経験のない先生には大事なpit fallがあります。新しい技術の披露とともに基礎的な技術の反復も学会の大切な役割です。また、インターベンションをする先生方は昔から学会、ライブ、ワークショップなどに出かけては時にお酒の力を借りて互いに刺激を受け、勉強し、日々の診療のモチベーションとしていたように思います。コロナが始まってから下火になったそのような「文化」がまた盛んになって、みんな仲良く自己研鑽していけることを願います。

謹白